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初等平面幾何学入門

当塾の初等平面幾何の教材を公開します。
pdfファイル⇒初等平面幾何学入門


虚数と負の数

平方してになる数など考えても大丈夫か?なぜ (-1)×(-1)=1 なのか?この二つの問いについての解説です。
pdfファイル⇒虚数について


集合の話

初めに論理について解説しました。 数学で使う論理は日常で使う論理よりも単純化されています。 例えば「または」とか「ならば」といった論理の言葉は日常でも数学でも使いますが、その使い方がやや違います。 こういった点の解説です。また、論理記号についても解説しています。
続いて素朴集合論についてまとめました。 共通集合、合併集合、直積集合、同値関係、商集合、写像、集合の濃度、ベルンシュテインの定理、順序集合、整列可能定理、Zorn(ツォルン)の補題、 カントルのパラドックス、ラッセルのパラドックス等、基本的で必要なことは、概ねまとめたつもりです。 ほぼ用語の解説なのですが、自然数と有理数の濃度が同じであること、ベキ集合の濃度は元の集合の濃度より大きいことなどについては証明を与えました。 但し前者に関してはベルンシュテインの定理を前提にしました。
pdfファイル⇒集合の話


線形代数関連資料

以下に線型代数の資料を集めました。ある程度系統だった資料になっていますが、 現状いわゆるベクトルと行列に関する入門的な部分の資料は用意していません。 なお、私の不注意や勘違いによる誤りがあるかもしれませんが、その点はお許し願います。

ハミルトン・ケーリーの定理

ハミルトン・ケーリーの定理は線型代数の要となる定理です。
◆ハミルトン・ケーリーの定理の証明です。二通り紹介します。 二番目のものは可換環論のやり方で、多分普通の線型代数の本には載っていないと思います。
pdfファイル⇒ハミルトン・ケーリーの定理
◆ハミルトン・ケーリーの定理の簡単な応用です。
pdfファイル⇒ハミルトン・ケーリーの定理の応用

基底の取替えについて

基底の取替え行列についての話です。これは行列と線型写像とをつなぐ話の肝の部分です。
◆基底の取替え行列の定義とその意味付けの解説です。
pdfファイル⇒基底の取替え行列
◆同一の線型変換を異なる基底で行列表示すれば異なる行列表示が得られます。 行列表示基底の取替え行列により、この異なる行列表示がどのように結びつくかを解説しました。
pdfファイル⇒基底の取替えと行列表示

固有空間について

異なる固有値に対応する固有空間は互いに線形独立であることと、 エルミート変換の異なる固有値に関する固有空間は直交することを説明しました。 またこれに関連して、対角化の必要十分条件についても述べました。
これらはすべて単純な話ですが、重要です。
pdfファイル⇒固有空間について

随伴変換について

随伴変換の定義および存在と一意性、その簡単な性質、エルミート変換の固有値が実数であること、 ユニタリ変換の固有値が絶対値 1の複素数であること、エルミート変換の異なる固有値に対応する固有空間は直交すること、 以上について解説しました。
pdfファイル⇒ 随伴変換

行列の対角化

行列といえばまずは対角化でしょう。
◆なぜ対角化のとき固有ベクトルが登場するかについての短い解説です。
pdfファイル⇒ 固有ベクトルと対角化
◆一般の代数閉体上で三角化定理を証明しました。
pdfファイル⇒ 三角行列
◆上記で証明した三角化定理を利用して、正規行列がユニタリ行列によって対角化されることを証明しました。 そしてその応用として、正規行列にはその固有ベクトルからなる正規直交基底が存在すること、 正規行列の異なる固有値に対する固有空間が直交することも証明しました。
pdfファイル⇒ 正規行列の対角化
◆正規行列、特にエルミート行列がユニタリ行列によって対角化されることを利用して、実対称行列が直交行列によって対角化されることを証明しました。 ポイントは固有値が実数なので、固有ベクトルが実数の範囲に取れる点です。
pdfファイル⇒ 実対称行列の対角化

2次形式について

行列の知識を利用して2次式を分類します。
◆実対称行列は直交行列によって対角化が可能です。そして直交行列は転置すると逆行列になるという特別な行列ですから、 これは直ちに2次形式の標準化に応用することができます。また標準形は項の順序を除いて一意的に決まります。(シルヴェスタの慣性法則)。
pdfファイル⇒ 2次形式
◆一般の体上の2次形式の標準化について述べます。標数が2でなければ実数体に準じた標準化が可能です。 標準化した際の0でない項の数は斉1次変換によらずに一定ですが、複素数体などを考えれば明らかなように各項の符号個数は問題になりません。 票数が2の場合はこういった標準化はできません。
pdfファイル⇒ 一般の体上の2次形式

正値エルミート変換について

正値エルミート変換は、数でいうところの「正の数」に当たります。
◆正値エルミート変換とは固有値がすべて正になるようなエルミート変換である。という内容です。
pdfファイル⇒ 正値エルミート変換
◆正則な線型変換は正値エルミート変換とユニタリ変換の積として一意的に表せますが、これは複素数の極表示に対応します。
pdfファイル⇒ 正則な線型変換の「極表示」

射影子とスペクトル分解

射影子と呼ばれる複素計量線型空間の特別な線形変換について説明しました。
複素計量線型空間の線型変換が射影子であることと、それがベキ等かつエルミートであることとが同値であることを示しました。
正規変換は複素数を係数とする射影子の線型結合に(その順序を除いて)一意的に分解されることを示しました。これをスペクトル分解といいます。
pdfファイル⇒ 射影子とスペクトル分解

ジョルダンの標準形

「任意の正方行列に対してそれと相似であるようなジョルダン行列が存在し、 しかもそのようなジョルダン行列は、そのジョルダン細胞を(直和として)並べる順序を除いて一意的である。」 という重要な定理を証明します。
pdfファイル⇒ ジョルダンの標準形(令和元年6月9日訂正)

エルミート行列について

ここはかなり幾何学色の強い話題を取り上げました。
pdfファイル⇒ グラムの行列
pdfファイル⇒ アダマールの不等式



解析関連資料

以下は覚書程度の資料です。

中間値の定理

区間縮小法を用いて中間値の定理を示します。(表面上は)ε-δ論法を用いていませんから、 高校数学の知識の範囲でも理解できると思います。 実数の完備性によって中間値の定理が成り立つのだということが分かってもらえたでしょうか。
pdfファイル⇒中間値の定理

アーベルの連続性定理

アーベルの級数変化法を用いてアーベルの連続性定理を示します。 併せてアーベルの級数変化法で用いる級数の変形が、部分積分法の”離散版”であるとみなせることも説明しました。
pdfファイル⇒アーベルの連続性定理

ラグランジュ乗数法を忘れにくくするために

ラグランジュ乗数法は強力ですが、やり方の丸暗記だと忘れてしまったとき困ります。 ラグランジュ乗数法は高校数学でおなじみの方法の発展版と考えられます。それを解説しました。
pdfファイル⇒ラグランジュ乗数法

コーシーの積分公式を忘れにくくするために

コーシーの積分公式を忘れてしまっても導き方を知っていれば安心です。 それについて解説しました。
pdfファイル⇒コーシーの積分公式の導き方

SINの「因数分解」と逆2乗の和

調和級数1/1+1/2+1/3+1/4+...+1/n+... は無限大に発散します。一方逆2乗の和 S(n)=1/1+1/4+1/9+1/16+...+1/n^2 は単調増加かつ S(n)<1+∫[1→+∞]1/x^2 dx=2 なので、n→+∞ のとき 2 以下の値に収束します。オイラーは天才的な発想で、この値が π^2/6 に等しいことを示しました。これは現在の数学の立場からすれば証明ではなく、発見的推論ですが、オイラーの発想のすばらしさの一端を味わうことができる話だと思いますので、簡単に紹介します。
pdfファイル⇒SINの因数分解と逆2乗の和


可換環関連資料

現状ネーターの正規化定理とヒルベルトの零点定理のみです。

以下可換環を単に環と呼びます。環は乗法単位元を持つものとします。環準同型は乗法単位元を乗法単位元に写すものとします。 従って単元は単元に写ります。特に体から(零ではない)環への準同型写像が単射であることに注意します。

ネーターの正規化定理

ネーターの正規化定理は体上の有限生成代数の構造を教えてくれます。この定理は次のヒルベルトの零点定理の証明に利用します。
pdfファイル⇒ネーターの正規化定理

ヒルベルトの零点定理

ヒルベルトの零点定理は代数閉体の場合について、代数と幾何をつなぐ重要な定理です。
pdfファイル⇒ヒルベルトの零点定理

環準同型が誘導する代数的集合間の写像

この中でネーターの正規化定理を幾何学的に解釈して、再びヒルベルトの零点定理(弱形)を導きます。
pdfファイル⇒環準同型が誘導する代数的集合間の写像